
(2/15) 涅槃会と涅槃図
毎年2月15日には、仏教での大切な行事の一つである涅槃会が行われます。
涅槃会の時期の海蔵寺では、普段はご覧になれない涅槃図をご本尊様の右の間にて掛けています。
涅槃会(ねはんえ)の由来
毎年2月15日には、仏教の大切な行事である涅槃会(ねはんえ)が行われます。
まず、皆さんは「涅槃」という言葉をご存じでしょうか。「涅槃 -ねはん- 」とはもともと、「火が消えた状態」の事を表す言葉で、「煩悩の日が吹き消された状態の安らぎ、悟りの境地」を表します(*1)。また、「生命の日が吹き消された」という解釈から、入滅、つまり亡くなることも意味します。このことから涅槃会とは、お釈迦さまが入滅した(=亡くなった)日、つまりお釈迦様の命日の日です。
2月の15日がお釈迦様の命日かどうかは実際の所不明とされていますが、南伝仏教(*2)においてはお釈迦さまが亡くなったのは「ヴァイシャーカ月の満月の日」とされており、「ヴァイシャーカ月」とはインド暦によると第2の月である(*3)事から、2月15日とされています。
(*1)(*3)ともに『岩波仏教辞典 第2版』(2018年第2版第9刷発行、岩波書店、編者:中村元・福永光司・田村芳朗・今野達・末木文美士)を参照。
(*2)南伝仏教…………インドから東南アジア方面に伝わった仏教のこと。

涅槃会の内容
涅槃会とは、上述の通りお釈迦さまの命日とされる日づけに行われる、仏さまのご遺徳を偲ぶ法要です。この日には涅槃図を掛け、その前でお経を読みます。
具体的には、お釈迦さまの最後の説法の内容である「遺経 -ゆいきょう- 」(正式名称は、仏垂般涅槃略説教戒経 -ぶっしはつねはんりゃくせっきょうかいきょう- )を、涅槃図に向けて読誦( -どくじゅ- 声に出して読むこと)します。また、他によく読まれるお経として「楞厳咒 -りょうごんしゅ- 」(正式名称を「大仏頂萬行首楞厳陀羅尼 -だいぶっちょうまんぎょうしゅりょうごんだらに- 」)というお経があり、海蔵寺では涅槃会の時に、ご本尊様のお釈迦さまの前でこの「楞厳咒」を、涅槃図の前で「遺経」を読誦します。
また、お寺によってはこの日に「涅槃団子」と呼ばれる五色のお団子を作ってお供えするところもあります。これはお釈迦さまの舎利(=ご遺骨)が元になったとされ、舎利が五色に輝いたという伝説から五色に色づけされるようです。

涅槃図について
涅槃図とは、お釈迦様の涅槃の、直前の場面を描いた絵のことです。多くの仏教寺院では普段は大切にしまい込まれていて、涅槃会の時期になると出してきて掛けられます。中央にはお釈迦さま、その周りにはたいていの場合、お釈迦さまの入滅を悲しむ多くの群衆や仏さま、天界の住人、僧侶、鬼、動物までもが描かれています。
実は描かれる登場人物はある程度の範囲で見分けることができ、多くの場合はそれぞれ決まった特徴を持って描かれています。
海蔵寺では毎年、涅槃図を2月の最初から春彼岸の終わりころまで掛けています。お寺にお越しの際は、是非とも近くでご覧になってみてください。
※今月2月の坐禅会では涅槃図について短い説明をさせて頂く予定です。2月坐禅会の概要はこちら